私は男を見る目がないらしい。
……何を信じたらいいかわからなくなった。
こんなに大きなことを黙っていられて……それならまだ隠してることがたくさんあるんじゃないの?と疑ってしまう。
……例えば。
「……仕事してないってことは……もしかして、ここに転がり込んできたのって、お金も住むところもないから?」
「!……そう、だな」
「……なら、住む家が欲しくて、温かいご飯を食べられる場所が欲しくて、私と復縁したってこと?」
そう疑ってしまうのは当たり前のことだと思う。
だって、そうでしょう?
よりを戻したらすぐに一緒に住もうって言ってきたし、あまりにもタイミングが良すぎる。
「それは違う!さっき言ったろ!?俺は美桜が本当に好きなんだって!好きだから一緒にいたい、っていうのは嘘じゃない」
「……そんなの、信じられるわけ、ない」
「信じろよ!」
「はぁ!?何その言い方!」
「う……っ、でも!じゃあ、どうやったら信じてくれるんだよ!?今の美桜は俺が何言っても、何も信じてくれねぇんじゃねぇの!?」
「!」
急に口調の強くなった朔太郎に、私は悔しくて唇をぐっと噛みしめた。
何なの?逆ギレ!?
意味わかんないんだけど!
キレたいのはこっちだし!
……私だって信じたい。
信じさせてよ。
信じられなくした責任取ってよ!