オムライス男子とマシュマロ女子


神が命名した。


「ハマチー‼あんたオムライスだって‼」


あたしは、ハマチのお腹をぽんぽんする。


驚いたことに、張りがあるんだ。


ただ、つまみやすいだけではなく、打てば響く太鼓のよう。


「落ち着くわー」


ぽんぽんぽんぽん。


その間、ハマチは微動だにしない。顔を見上げると…。


目がないし。


ということは、笑っている。


笑ってなくても目はないんだけど、あたしは、その数mmの開閉の差が分かるんだ。


だって、あたしとハマチは、幼馴染だから。


そしてゴリ江は、ハマチを見た瞬間、お腹の出っ張り具合をオムライスに例えた。


あたしが大っ好きなオムライス。


だからなんだか嬉しかった。


オムライスには、いーぱいの夢が詰まっているんだから。


「ハマチのここには、何が詰まってんのかな?」


ぽん。


「うん、腸だね」


響いてくる。


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