オムライス男子とマシュマロ女子


その前に、うんま‼


どうせチーズが変に余ったからだろうけど、このざっくり感がたまらない。


「お母さんたちは、ライバルだったの」


今でいう、あたしとゴリ江みたいなもんかな?


ん、でもゴリ江となにか張り合ったりはしないから、少し違う気もする。


小中高と同じで、大学も同じ学部。


いつも成績を競い合っていたらしい。


あたしのお母さんは、どちらかというと物静かでおしとやかなタイプ。


かたやハマチのお母さんは、豪快でおてんばタイプ。


「趣味も価値観もまったく違うから、意見もまるで合わない。でもだからかな?うまくいってたんだけど」


カットされたチーズケーキ。


もう食べちゃいなさい、とお母さんが言ったけど、少し躊躇する。


「じゃ、お母さん食べるわ」


「あたし食べる‼」


お皿を奪い取り、パクリといく。


うーん、やっぱりお母さんの料理は最っ高‼


「初めて意見が一致したのよね、男の趣味で。お母さんたち、同じ男の人を好きになったのよ」


悪戯を見つかった子どもみたいに、お母さんは笑った。


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