オムライス男子とマシュマロ女子


反発し合いながらも、根っこは一つに繋がっている。


片方が腐ると、もう片方ももれなく腐る。


「あれだけなんでも言い合ってたのに、お互い牽制しあって憎しみ合って、傷つけあって。結局、そうこうしてる間に、二人ともフラれたんだけど」


「そうなんだ」


そんなことがあったんだ。


あの、ハマチのお母さんと、あたしのお母さん。すっごく仲良しだとは思ってたけど。


「でもその時にお母さん思ったの。もしお母さんがフラれて、ハマチママが幸せになったとしても、お母さんは結局、応援してただろうなって。それだけ、ハマチママのこと、好きなのよ」


ふふふ、と笑った。


あたしもつられて、ふふふ、と笑った。


「それからお互い結婚して、同じ時期に子どもができたって知った時は、ああ、やっぱりお母さんたちは、さくらんぼなんだって思った。二人とも栄養士の仕事に就いて、生まれてくる子どもに、いっぱい美味しいものを食べさせようって」


お母さん、その約束は果たされたね。


「それで、どっちの子どもが元気にまるまると育つか勝負してたんだけど、それは今のとこ引き分けかな?でも最近、あんまり美味しそうに食べてくれないから、お母さん、負けちゃうかもね」


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