青空の日のこと
頭の中にフラッシュバックする、両親の血。

「え、何で_____」

「今日は帰ってください」

思い出さないようにしてたのに。

あの時の血と、血の匂いと。

何もかも思い出すだけで、
狂ってしまいそうだ。

「......んじゃあ、またね!」

どうやら察してくれたのか、
笑顔を浮かべて、男の子は出て行った。

「...名前、聞くの忘れちゃったなぁ...」

わたしは、そんな事を呟いていた。

もう、会うこともないはずなのに。

真っ白なテーブルクロスの敷かれた、
テーブルには2つのカップとクッキー。

こんな光景を見るのなんて、何年ぶりだろう。

もう、見るはずもなかった光景。


わたしはクッキーを1枚だけ摘み、ぱくりと食べた。

クッキーは、ほんのり甘くて美味しかった。


< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop