月夜の黒猫



しばらくして朔夜はホームルーム開始直前に教室についた。


ここからはいつも同じ日常だ。



つまらない授業を半ば聞き流し、昼は水のみでご飯は食べない。昼休みはいつも図書室の隅の人気がない場所で昼寝。
午後の授業もボーと眺めているだけだ。

放課後は部活に入っていないためマンションに直帰する。

帰宅後はちゃんとご飯を食べお風呂に入り全身真っ黒な服を身にまとう。

そして、朔夜は夜の街へとでかけるのだった。
















































朔夜は組織、暴走族の間では脅威であると噂されている。

さらにその手の組織、暴走族からは《黒猫》という通り名で呼ばれている。




朔夜は通り名の通り夜の街を音もなく駆け抜け、悪事を働く者の前に気まぐれに現れる。









しかし、黒猫の姿を見たものはいない。








































いや、見ることができないのだ――…




































































なぜなら、暗闇の中朔夜に瞬殺されるからである。











































粗方街を見回ると、朔夜はマンションに帰宅しシャワーを浴びてベッドに倒れこんだ。

そしてそのまま眠りにつくのだった。



















































これが朔夜の日常―…

























































この日常が少しずつ崩れていくことにこの時の朔夜は気づいていなかった――……







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