月夜の黒猫
―蓮Side―
屋上でのことがあって数日たった。
今日は屋上にいつものメンツでいた。
葵「蓮、例の件粗方調べたよ。」
蓮「報告」
俺は葵に促した。
葵「一言で言うと、普通だよ。」
葵からは抽象的な言葉がでてきた。
湊「え?!普通?」
葵「あぁ普通。でも、普通とも言いきれない。
」
要「はぁ?どういうことだよ?はっきり言えよ。」
葵はなんとも煮え切らない言い方をした。それに対して要は短気でもあるため、イライラし始めてる。
葵「彼女のテスト順位っていつも学年の中間なんだ。あと、体力テストも中間。」
蓮「!」
空「!」
葵の言葉を聞いて俺と空はなんとなく重大性に気づいた。
湊「?普通だからじゃないの?」
要「だよなぁ、見た目も普通だし。」
だが、湊と要はピンとこないみたいだ。
空「…いや、…中間を…狙ってる…?」
それに対して珍しく空が声を出して核心をついたのだった。
葵「うん、僕もそうだと思う。」
要「はぁ?なんでだよ?」
それに葵も同意した。
しかし、要達はまだわからないらしい。
仕方なく補足するために俺は口を開いた。
蓮「要、湊…テストは毎回違うだろ?その時々で人それぞれ得意不得意がある。その状況で首位をとることは努力でなんとかなるし、逆に下位をとることはなにもしなけりゃとりれるもんだ。だが、中間は違う。中間はその時々で推移すんだよ。それなのに毎回中間をとるってできると思うか?」
要「!無理だな…。」
湊「!うん、」
葵「まぁ、体力テストの方も蓮が言ったとおり同じことがいえるね。」
蓮「…あぁ。」
月詠のことを説明して終わると、皆黙ってしまった。各々月詠のことについて考えているらしい。
それにしても、月詠朔夜……、一体何者なんだ…?
湊「ん〜、でもさぁー、一体どうやって確かめるの…?難しそうじゃない?」
要「…だよな。相手もそんなに頭がキレる奴ならなおさらだろ?」
葵「そうなんだよなー……どうしようか蓮?」
蓮「…直接行く。」
葵「了解。いつ行こうか?」
俺達は直接接触することは決まったが、タイミングを測りかねていた。
空「あ、月詠朔夜…?」
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