月夜の黒猫
猫達《ウ゛ゥ゛ーーーーー!》
一歩踏み出した瞬間唸り声が強くなった。
それでも気にせずもう2、3歩進むと猫達が一斉に立ち上がり臨戦態勢をとった。
僕達は一端その場で立ち止まった。
全「…………、」
あと一歩でも踏み出したら飛び出してきそうなほど毛が逆だってる…、
『……さむい、』
全「……っはぁ?」
そんな緊迫していた雰囲気の中、涼やかな声が聞こえてきた。
しかも、言ってる内容がマイペースすぎる;
俺達は間抜けた声が漏れた…。
猫達《ニャー》
しかも今まで威嚇してた猫達がまた月詠朔夜の周りに集まり団子状態になったのだ。
湊「……って!また寝ちゃうの?!ちょっと待ったー!」
『…………チッ』
全「………(舌打ち;)」
猫達が元の位置に戻ると月詠朔夜は何事もなかったように寝ようとした。
だけど、それを湊が止めた。
それに対して月詠朔夜は舌打ちした。
葵「君は月詠朔夜であってるかい?」
葵が冷静に質問した。
『………』
しかし月詠朔夜は答えない。
要「チッ、てめぇきいてんのかぁ?」
苛立った要が殺気立った声で言う。
『…………うざ』
要「あ゛ぁ゛?てめぇっ!」
湊「わぁ!要!ダメダメ!」
空「(コクコク)!」
葵「暴力はダメだよ。」
それに対して月詠朔夜が毒づいてきた。
要はこめかみに青筋をたててキレる。
流石に暴力はよくないためそれを湊が要の腰に抱きつき、僕が左腕、葵が右腕を掴んで必死に止めた。
それにしても、確かにさっき要は殺気を含んだ声で言ったにも関わらず、月詠朔夜は怯えるどころか逆に喧嘩を売ってきた。
普通の一般人なら怯えて話せないくらいの殺気だったはずなのに――……、
蓮「…要やめろ。」
要「チッ」
要は蓮の言葉でやっと力を抜いた。
蓮「…おい……お前、
何もんだ?」
蓮が珍しく自分から声をかけた。
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