月夜の黒猫
『……………ふーん』
一通り話終わると、月詠朔夜からは薄い反応が得られた。
葵「……そこで本題なんだけど、月詠さんはテストとか運動とか手を抜いてるよね?あと、美優の証言から言うと、容姿も偽ってる。君は一体
何者だい?」
葵が本題を話した。
『それを知ってどうする?』
全「!…(威圧感…!)」
葵の問いに月詠朔夜の纏う空気がピリピリしたものに変わった。
僕達でも少し恐れるような威圧感だ。
『興味本位は辞めて。』
それははっきりとした拒絶だった。
僕達は呆然立ち尽くした。
『(ペコ)』
すると月詠朔夜は威圧感を消し、無言で会釈して僕達の横を猫のようにしなやかに音もなく通り抜けていった――……
僕達の中で月詠朔夜は強く印象に残る程の不思議なやつだった。
この接触を境に、僕達は月詠朔夜という存在に翻弄されて行くことを今の僕達は知る由もなかった―――……
―空Side終了―
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