月夜の黒猫
―美優Side―
今は放課後、今日の放課後は珍しく部活がなかった。だが、他の友達は別の部活に所属しているため一緒には帰れないらしい。
私は1人で帰るため教室を後にした。
教室を後にした後、すれ違う友達にあいさつしながら昇降口に向かう。
昇降口につくとローファーに履き替え校門に向かって歩きだした―…
校門には沢山の下校する生徒が見うけられた。
こんなに早く帰るのは久しぶりだったため若干違和感を感じつつも足取りは軽かった。
私は家に向かうため校門を出て右に曲がった。
私は地元組のため駅のある左の道ではなく、住宅街が軒を連ねている右の道を帰っている。因みに私の家は学校から約30分くらいの位置にある。
この学校は外部からの生徒のほうが多いため左の道を行く人が大半だ。
案の定右の道は今の所私以外歩いていなかった。
美「(やっぱり人が少ないなぁー…それにしても、月詠さん今日は気をつけてって言ってたけどこの調子なら大丈夫かなー)」
私はぼんやりと昼休みに月詠さんから言われた事を思い出した。
その時――……
ガシッ
美「っ!んっ!(薬品の匂い?!)」
後から腕を掴まれ口と鼻に薬品を染み込ませた布を押し付けられた。
美「(月詠さんの感…当たっちゃった……、もう少し気をつけて……おけば、よかった―…)」
私は徐々に意識が遠のきながら後悔したー…
そして、最後の思考を機に私の意識はブラックアウトした――……
―美優Side終了―
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