月夜の黒猫
奪還
―朔夜Side―
時間は少し遡る――…
昼休みの一件が終わり私は午後の授業を受けた。
その後いつも通り放課後になった。
いつもなら此処で即座に帰るが私は最近行ってない例の裏庭に向かった。
『皆、久しぶり。元気にしてた?』
猫達《ニャー!!》
そこにはこの前来ていた倍くらいの猫達が集まってきた。
『ごめんね…、最近忙しかった。お詫びに今度煮干しとか持ってくるね。』
猫達《!ニャー!ニャー!》
私は木にもたれると足を伸ばして座った。
その植えや周りにこの前同様猫達が寄りそう。
その状態で私は猫達を撫でながらボーとしていた。
ボーとしながら猫達を撫でること数十分――…
大分ボーとしていたようで此処に来た時より大分日が傾いて来た。
と言ってもこれが初めてではない。
大抵この子達といると時間を忘れてボーとしていることが大抵だった。
やはり動物は癒されるから好きだ。
『んー、そろそろ帰ろかな…』
私が呟くと猫達は一斉に立ち上がった。ここの子たちは凄く賢い。私の言葉を理解し何故か私の手助けをしてくれる。
そんなことを考えながら私も立ち上がろうとした瞬間――……
ピューゥ…
『笛の音。』
猫達《ニャー》
私が神崎さんにあげた笛の音が聞こえてきた。
猫達も音のした方角を一斉に見た。
音からして結構遠いだろう――……
私は立ち上がる途中だった身体を即座に立たせ猫達に声をかけた。
『皆、ちょっと手伝って?』
猫達《ニャー!》
私のお願いに反応した猫達は一斉に同じ方向に走りだした。
そこで最後に残ったクロに声をかける―…
『クロ、案内よろしく。』
クロ《ニャー》
私は返事をしたあと走りだしたくろを追って走りだした。
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