月夜の黒猫
―公園―
あれから月詠さんは人通りの少ない道を通り公園にきた。
公園につくと私もいくらか落ち着いていたため、月詠さんがベンチにそっと座らせてくれた。
その時、路地裏の暗闇では見えなかった月詠さんの全貌が露わになった。
美「…っ、きれー…」
白雪のように真っ白でシルクのような肌、それとは真逆に真っ黒で艶のある長い髪の毛、まるで満月をはめ込んだように幻想的な2対の瞳、
極めつけにはスタイルも良く、そこら辺のモデルの人より綺麗だった。
そして、もう一つ目を引くのは、見上げても見上げきれないほど高い身長だった。
私は女子高生の平均より少し低めの身長だ。
でも、目の前の月詠さんは推定180cm以上あるみたいだった。
『……………おちついた?』
美「へ?あ、はい!もう大丈夫です!」
私がボーとそんなことを考えていると月詠さんが私を見下ろして声をかけてくれた。月詠さんの声は高すぎずとても落ち着いている。
『…そう。』
美「…はい、」
でも、ちょっぴり無口のようだ。
『………家送る。』
美「……え!?だだだだいじょうぶです!一人で帰れますから!」
『……だめ。』
美「…はぃ。お願いします。」
しかし、気を使ってくれたのか月詠さんから声がかかった。
どうやら送ってくれるらしい。それに私は慌てて遠慮した。
それでも月詠さんにハッキリと却下されてしまう。
私は月詠さんの威圧に押されて承諾し、家まで無事に帰ることができたのだった。
これが私と月詠朔夜の初めての出会いとなった。
この出会いは単なるキッカケにすぎない、
これから泣いたり笑ったり怒ったり、色々な感情をしり成長することとなる―…
ソレはきっと必然――……
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