月夜の黒猫
解散
―蓮Side―
蓮「!」
今はあの日屋上であった月詠朔夜が城田を背負投げした状況にあった。
一瞬のことで周りは状況について行けてないみたいだが、月詠朔夜の気の抜けた声に段々状況を理解し始めたようだった。
因みに城田はピクリとも動くことはなく気絶している様だった。
そんなこんなで、やっと状況を理解した炎尾の奴らは月詠朔夜に怒鳴り散らしてから敵討ちに走った。
『…………』
蓮「…………」
そんな中月詠朔夜は一瞬俺の方を見た。しかし、俺は月詠朔夜の能力を見極めたかったがために手出しはしなかった。それを一瞬で悟ったように月詠朔夜はめんどくさそうな雰囲気を醸し出しながら自分から炎尾の奴らに向かって走り出した―…
湊「……すごっ、」
要「…圧倒的だな。」
空「(コクコク)」
葵「予想以上だね…」
鬼龍下っ端「(ポカーン)」
蓮「……ああ。」
そこからは一瞬だった。
月詠朔夜の攻撃は正確かつ流れるような動きで無駄がなかった。
なおかつ、型は1つでは収まってないようだった。
先程の柔道技から始まり、攻撃力については空手や合気道、足さばきについてはたぶん剣道のものであるようだった。
だが、1つだけわからないのはあの異様なまでの移動速度だ。
いったいどいなっているかはわからないがとりあえず月詠朔夜は大分強いという事がわかった。
俺がそんなことを考えていると月詠朔夜は一旦攻撃を止めた。
そして、ナイフを弄びながらうんざりした声で問いかけているようだ。
それに対して炎尾のやつは馬鹿なのか拒否し、月詠朔夜の後ろから殴り掛かろうとした。
鬼龍「!」
その状況にウチのメンバーは目を見開きながら息を飲んでいる。
だが、瞬きをした一瞬の間に勝負はついた。
『…もう、いいよな(殺気)』
月詠朔夜はナイフを相手の眼前数ミリに寸止めして、あの日俺達に向けた殺気よりも強い殺気を向けていた―…
それに耐えられなかった相手は情けない声を漏らしその場で尻餅をついた。
『………』
それを確認した月詠朔夜はナイフを持っている手を下ろし倉庫の入り口、基、猫と神崎がいる方へ歩き出した―…
それを確認して俺も動き出した。
―蓮Side終了―
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