月夜の黒猫
『ん。とりあえずいつもの。後は適当に。』
春「はいよー」
『神崎さんおいで。』
朔夜ちゃんは美優ちゃんを連れてカウンターの椅子に座った。
取り残された僕達はその場で立ち尽くしていた。
春「ほらほらお前らも適当に座れー?なんか頼むならメニューはあれなー」
男の人にそう声をかけられて僕達は4人掛けソファータイプの椅子に僕、空、要の3人、カウンターに蓮、葵の2人が座った。
『で?用件は?』
朔夜ちゃんは僕達が席に落ち着いたのを見て切り出した。
美「えっと、私の用件は昨日約束した御礼の件なんですが……、」
『んー?…………あ、あれね……。神崎さんって、
律儀だね……』
春「朔夜、完全に忘れてたろ?(汗)」
『ん。』
春「だろうね;朔夜は変わんねぇな。特にどうでもいい事はすぐ忘れるやつとか。」
美優ちゃんが用件を切り出すと朔夜ちゃんははじめ何を言われたのか理解出来ていなかった。しかし少し考えてから思い出した様に返してきた。
昨日の今日で忘れるとかすごいなぁー
でもそのことに対してさっきの男の人が厨房で作業をしながらツッコんできたのだった。
『別に御礼される様なことしてない。とりあえず無事だったんだからそれでいいよ。ま、それでもって言うならここのチョコミントアイス奢りね。』
美「うぇっ?あ、はい!(ニコ)」
でも、さらに返ってきた朔夜ちゃんの言葉を聞いてなんかかっこいいなって思った。
相手を気遣いながら、それでいて相手が気負わない物言いに―…
―湊Side終了―
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