月夜の黒猫


―朔夜Side―



女に絡まれてる子の様子を少し観察してると、どんどん顔色が悪くなり呼吸も早くなってきている様子だった。



そして、女が触ろうとした瞬間ビクリと肩を跳ねさせたのを見て私はその子に近寄った。

























































『(極度のストレス、恐怖からくる過呼吸―…)…ゆっくり吸って吐いてを繰り返して?落ちついて呼吸すれば大丈夫。怖くない。』





私はそのままその子の背後から手をまわし目を覆った。


とりあえず視界から女の顔を見ないようにするためだ。



それにしても――…



































空「…っ、ん……、」


『(香水、臭い―…)…そう、いい子。』







女共の香水の悪臭に私は顔を歪めた。それでなくても他人より嗅覚がいいため苦痛でしかないが、とりあえず表情は変えずに指示通りに従った子の頭をひとなでした――…


その刹那―…
































































女2「ちょっと!あんた誰よぉー!後からきて空君横取りする気ぃ?!ってか、空君に気安く触ってんじゃないわよ!」



『………』









私は急に叫んだ女の金切り声を冷めた目で見下ろした。








女1「なっ、なによ!」




『お話し中急にごめんなさい。この人の担任の先生が単位がかかった課題を渡すの忘れたって探してたみたいだったので、留年したら大変だと思って勢いよく引き止めてしまいました。邪魔してしまったことについては申し訳ありません。この人を先生のところまで連れて行ってもいいですか?』


空「えっ?課題ならmむぐっ、」




女3「っ!それを先にいいなさいよぉ!空君が留年とか大変じゃない!早くつれてってあげて!」


女2「そうよぉ!そんな理由ならしかたないわぁ、空君ごめんねぇ?」


女1「そう言うことだから、あんた早く行きなさいよぉ!留年させたら許さないんだから!」



『ありがとうございます。それでは。』














































私の威圧感に怯んだ隙にそれらしい言い訳をして女達を納得させた。


案外、この女達は話しがわかるらしい。

そんなことに関心しつつ、私の腕のなかにいる子が余計なことを言わないように口を抑えつつ職員室の方角に向かって歩き出した。










































―朔夜Side終了―

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