月夜の黒猫
―空Side―
湊「そぉぉぉらぁぁぁああ〜!!?」
空「∑ビクッ…!」
『……(うるさい)』
入ってきたのは鬼龍のメンバーだった。
入ってきてすぐ湊に名前を叫ばれてびっくりした…。
隣に立ってる月詠が僅かに眉間に皺を寄せたのが見て取れた。
空「湊うるさいよ、…てか、皆どうしたの…?用事があったんじゃ…?」
とりあえず僕は疑問に思ったことを聞いてみた。
湊「∑空ひどっ…!てか、どうしたの?ッじゃないよぉ!空が倒れたっていうから飛んできたんだよぉ〜?!」
要「そうだぜ。俺達の用事は大したことなかったから心配すんな。んで、なんで倒れたんだよ?てか、なんでてめぇがいんだよ…、」
要は月詠を鋭く睨んだ。
空「えっと、原因はいつものかな…、月詠は…、」
『拾った。』
全「……は?」
そんな要の態度に月詠のことを弁解しようとすると、月詠は僕を指差しまるで動物を拾ってきたような口振りで僕の言葉を遮ったのだった…。
それに対して僕を含めた皆は唖然―…
美「朔夜さんまたですか〜?」
全「また…?!」
『ん。』
湊「朔夜ちゃんって、ある意味すごいねぇ〜」
要「おいおい、前科あんのかよ…;」
蓮「………(呆れ顔)」
葵「月詠さんはいつも斜め上を行くね…」
空「(コクコク)」
『?』
そんな僕達の状況なんて気にせずに神崎が更なる爆弾を投下したが、僕達はそれぞれの反応を示したのだった。
月詠はよくわかってないみたいだったけどね…;
『なんでもいいけど、大丈夫そうなら私帰るわ。』
そう言って月詠は入り口に向かって一歩踏み出そうとした。
クイッ
空「…、」
全「!」
『……』
僕は思わず月詠のブレザーの裾を掴んで引き止めてしまった―…
空「…ぁ、えっと、…うぅー…、」
『……』
全「…(唖然)」
そんな僕の行動に他の皆は唖然としている。当の引き止められた月詠は僕の方に軽く振返り座ってる僕を見下ろして首を傾げていた。
その状況で、緊張してしまい咄嗟に言いたいことが出て来なかった…、
てか、軽くパニック気味だった―…
『…とりあえず息吸ってみ?』
空「…えっ、うん…」
僕は言われた通り息を吸い込んだ。
『…ん。んじゃ吐かずに吸い続けて。』
そして、僕はなんの疑いもなく月詠の指示に従った……
要「…って!空になにやらせてんだぁ?てめぇ!吸い続けたら死ぬだろ確実に!!」
湊「そうだよ朔夜ちゃん!てか、空も素直にやらないのぉー!」
『……』
空「うん;」
月詠のボケに要と湊がツッコミを入れた。
てか、普通に疑いもせずやってたわ…;
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