月夜の黒猫


はっ!もしかして殺されかけた…?;


僕がそんな思考に行きかけたときフッと頭が少し重くなった、



















































ポンポン
『…で?落ちついた…?』

空「えっ、うん…、」











頭が重くなった原因は月詠が僕の頭を軽くポンポンと撫でたからだった。


月詠に声をかけられて、さっきより自分が緊張してないことに驚く…、それに、触られても大丈夫だった―…




それを察してるのか、月詠は僕の目の前にしゃがんで自分の膝に片肘をつき頬杖をついた。

そして、僕に目線を合わせると口を開いた。





























































『過度のストレスからくる過換気症候群。通称、過呼吸。』


空「えっ…?」

全「…、」





僕は月詠が言ったことを一度で理解できず聞き返してしまった、































































『私が君を診て出した診断名。君の場合、女性恐怖が原因のストレス。あと、極度の人見知りによる対人コミュニケーション障害が多少ある。』


空「!…、」


『…ま、障害って言っても自分次第で治るものだし人見知りっていう要素の方が強いけど、とりあえず女嫌いの原因が改善されればなんとかなるんじゃないたぶん。』






月詠が言ったことは間違ってなかった。女嫌いで人見知り…、この事実は皆知っている…。でも、原因についてはまだ皆に話せていなかった―…























































僕がそんな思考に辿り着くといつの間にか月詠は立ち上がっていた。













『今度こそ帰る。さっきはめんどk…急いでたから強制的に女嫌いの君を運んだけど、申し訳なかったね。次はないから安心して。』


全「……(言い直した;一緒に階段のぼるのがめんどくさくなったんだな…。)」





月詠はそれだけ言うと再び踵を返して入り口に向かって歩き出した。






空「えっ、あ、助けてくれたて…、ありがとう…!(ボソボソ)」





そんな月詠の背中に向かって僕は声をかけたが思いの外声が小さくなってしまった―…、











































ヒラヒラ
『……』







でも、月詠には聞こえたみたいで振り向きはしなかったが右手を頭の高さまであげて軽く振った。







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