月夜の黒猫
そんな姿を見送っていると、ドアノブに手をかけた月詠が何か思い出した様に軽く振り向いた
―…
『あ。そういえば、ストレスは人に話すと意外に解決することが多いらしい。一人で悩むより他人に話し、意見を求めることは恥じることじゃない。例え小さな一歩でも、身近な人から始めてみるといい。君に必要なことは、自分の過去と向き合い過去から一歩踏み出すこと。そうしたいっていう意志があれば、周りは君が抱いている様な悪い結果じゃなくて、いい結果が出せるように協力してくれるんじゃない?
…―仲間ってのはそういうもんだ。…美優、家まで送るからおいで。一緒に帰ろう?』
美「え?いいんですか?!わぁーい!(ニコニコ)」
空「……、」
全「……」
月詠は言うだけ言って神崎と一緒に帰っていった―…
取り残された僕達はしばらくの間、お互いに無言状態になる。
そんな中、僕はさっき月詠が言った言葉を思い出していた―…
空「(過去と向き合って…過去から一歩踏み出す…、)……ねぇ皆、上手く話せるかわからないけど…、ちょっと聞いてほしいことがあるんだ、」
全「!」
空「…聞いてくれる…?」
蓮「ああ。」
葵「もちろんだよ。」
要「あたりめぇだろ?」
湊「どんとこぉい!」
僕は月詠の言葉に後押しされ意を決して皆に向き合うと、皆の表情は和らいでいて力強く頷いてくれた―…
それに一瞬泣きそうになったが、なんとか堪えて僕は過去の話を始めたのだった―…
―空Side終了―
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