月夜の黒猫



?「ふむ。…君は暗い目をしてるね。」

空「…えっ…?」




その人に見惚れていた僕は顔が至近距離にあることに気づくのが遅れた。その人の幻想的な目は僕の濁った目を覗き込んでいた。








?「人を信じられない目。人に恐怖を抱いている…、孤独を知ってる目。」


空「っ、」




その人の言葉に僕は焦燥感を覚えた。だって、全部あってるから…、












?「…信じるものに裏切られて、何も信じられなくなって、絶望して……何もかもを諦めた。」


空「…、」





その綺麗な目は何処が憂いを帯びていて、まるで自分のことの様だった。











?「…何かを諦める方が楽なのかもしれない。自分の心が信じていた時より傷つかないから…。でも、自分の殻に閉じこもって、気持ちを押し殺すことは辛い。どちらにしても辛い思いをしなきゃならないなら君はたった1人でもいいから、頼れる人を作ったほうがいい。そしてその人が困っていたら自分の持っている全てのもので応えてあげたらいいよ。仲間は自分を強くする。身体だけしゃなくて心も…。君に足りないモノは、、































































自分の殻を破る勇気だ。後悔だけはすんなよ?(微笑)」



空「っ!////(コクコク)」







そしてその人は僕の目をしっかり見て諭すように語りかけ、最後に頭に撫でた。


僕はそんな行動に恥ずかしくなったけど、忘れていた人の温かさを久しぶりに感じた気がした。




















?「ん。」







?「あぁぁ!さく、やっと見つけた!お前、急に居なくなる癖直せよ!気配を消すな;」



?「すまん。癖はなおらん。気配は自然に消えるからむり。てかナツ、ゆき達は?」



?「はぁ、努力しなさい!ゆき達は急に消えたどっかの誰かさんを手分けして探してんだよ;;」


?「あらら、申し訳ない。あとでお礼する。」


?「そうしな。てか、この状況は…?」


空「……」








僕は急に乱入してきた人にポカーンとしてしまい、その人と話しを普通にしている助けてくれた人を凝視したまま固まっていた。





すると、その人達は話しを済ませ今度はこの異様な現状について聞いてきたのだった。




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