【短編】願わくば。





このまま終わりにしたくない。
母親にお菓子をねだる子供のような心情だった。



嫌な予感はしていたけれど。
それに気付かないふりをして、証を作りたかったのかもしれない。




「少しでもまだ、俺を思ってくれているなら。
約束の日に桜の木の下で待ってる。」



そう俺は送った。
僅かな希望にすがりついていたかった。






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