【短編】願わくば。
懐かしい夢を見ていたと思ったら、そういうわけか。
あれから俺は教師になった。
目の前で頬を膨らませながらも、不安を隠しきれずにいる女子生徒に昔を重ねた。
「どんなにお互いを思っても、かけがえがない存在であっても。
時間は重いからなぁ…。
ダメになる時はなってしまうんだよ。」
「やっぱ、だめなのか…。」
「でもな、諦めたら本当にダメになっちまう。
顔が見えない分不安になるだろ。
けどその分、お前が相手を信じてろ。」