【短編】願わくば。





君は少しずつ話してくれた。
中学で上手くいかなくて、知り合いのいない高校を受験したことを。



「誰も知らないところなら、私は新しい‘私’になれるから。」



俺も似ていた。
親が死んで親戚の家に引き取られたが、俺だけいつも孤独だった。
血は繋がっていても、家族ではなかったから。



そんなところから逃げたかった。
誰かと新しく繋がりたかった。






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