櫻唄

斎藤side

朝稽古が終わり暫くして総司が帰ってきた
「鈴、流石北辰一刀流なだけあるよ。あの子強かった」

満足そうな総司は朝餉の席に座ると
「まだ、トシと夏見くんは帰って来てないけど冷めるのも作ってくれた隊士に申し訳ない。
先に朝餉を食べよう」

近藤さんのその一言で朝餉が始まり数分後に副長が帰ってきた
「お、うまそうだな」
「美味いよ。土方さんも食べてみろよ」
左之の一言と同時くらいに食べ始める

「・・・これは夏見が作ったやつだろ」

土方さんの一言で平助が反応した
「なんでわかったの?!初めて食ったはずなのに」

そういうと副長は小さく息を吐いた
「うちの隊士がこんな手のこんだもの作るはずもねえし味がちゃんとしみてる。
つまり前日から作ってたんだろ。あいつは昨晩の夕餉当番だからな」

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