櫻唄
私達はそのあと直ぐに屯所へ戻った

入口には土方さんが立っていて
私と芹沢さんが一緒に帰ってきたことが驚いたのか
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた

「すいません。落ち着きました」

私がそういうと土方さんは私の頭を撫でで優しい表情をしていた

「フン。お前は甘いな。そんなことで副長を勤められるのか?」
悪と化した芹沢さんは土方さんを上からにらみつける

「小娘ごときに振り回されるなど恥だ」

芹沢さんはそういうとくるりと背を向け
どこかへ行ってしまう
「・・・鈴。お前に大事な話がある。ついてきてくれ」

私は先をゆく土方さんに戸惑いを感じながらもついていく
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