櫻唄

それは私がまだ九つの頃
北辰一刀流にきて三年が経とうというとき


山南さんとお茶を飲みながら話すのが日課となっていたとき
山南さんはお茶菓子をとってくると縁側から席をはずしていた時

「お嬢ちゃんちょっとおいで」

浪士とみられる人が私に近づいてきた。
私は危険だと感じて刀を抜こうとすると浪士が驚いたようにいう

「お嬢ちゃんここの門弟なのかい?」
「馬鹿いえ。女が武士になれるわけないだろうが」

その言葉に私は傷つき刀に手をかけると相手も刀を抜く
「まあ、いいさ。お嬢ちゃんだけみたいだしな」

そういったとき、私の後ろでがちゃんと音がしたかと思うと目の前に
着物が見えた
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