櫻唄

膳を片付けると私達は集まると目つきの悪い人が口を開く
「で・・・、お前について話を聞きたくてな」
私は返答に困ると山南さんが助け舟を出してくれる
「土方くんそんな言い方をしたら怯えてしまいますよ。彼女は捕虜でも間者でもないんですから。」
そういえば彼はバツが悪そうに口を開く
「わるかったな。」
「いえ、全然大丈夫です。」
そんな受け答えをしていると先ほど上座に座っていた男の方が口を開いた
「しかし、紹介をしておかないとお互い困るだろう。
自己紹介を頼めるかな？君が自己紹介をしたら我々も自己紹介しておこう」

そういわれ私も姿勢を正す
「夏見　鈴と申します。以後よろしくお願いいたします」
お辞儀をし、すぐに姿勢を整える
一番組長の沖田さんから挨拶が始まり局長の近藤さんで挨拶が終わる

初めて会った永倉さん、斎藤さん、原田さん、土方さん、近藤さんも個性的なんだなと思った
しかし、何より個性的なのは沖田さんだと思う

皮肉めいた笑顔で素顔を覆っていて私は触れてはいけないものがあるのだろうかとおもうのだ
そんな風に考えていると土方さんが口を開く
「女とはいえ、この屯所にはそこまで部屋がない。つまり、誰かと相部屋になるんだが
こちらで決めさせてもらった」
と彼は言ったのだ