恋物語。
story.14
挑発…?
―11月上旬。
コラボ企画第3弾。
今回のテーマは…“彼をドキドキさせるルームウェア”
え?部屋着でドキドキする必要あるの?って…以前の私なら正直そう思っていた。
だけど…聡さんのお家に何回かお泊りしてみて、ちょっとだけその気持ちが分かる気がした。
だって普通…部屋着でドキドキなんてならないもん。
部屋でリラックスしつつ、彼をドキドキ出来るなんて…それって、すごいことじゃない…?
「…おはようございます。」
もう3回目となるスタジオに入り、セットの置かれた場所まで進んでいく。
今回のお部屋設定は…彼女のお部屋。
という訳で、全体的に可愛らしいセットとなっている。だけど今回の家具は…テーブルとベッドしかない。
それに私の衣装はというと…白のオフショルワンピース(膝上約10センチ)にクリーム色の長袖カーディガン。
完全に……そうだよね…??ねっ!?!?
「ふぅ…」
一つ息を吐いてベッドに座る。
今までより…一番、緊張するかも…。だって…服が服だもん…っ!!
それに、ベッドしかないって…。あぁー…不安だよー…。
「……緊張してます?」
「っ…!」
その時、隣に誰が座った。
「ぁ……慎一くん…」
それは今回も“彼氏”役を務める、慎一くんだった。
「お久しぶりです。」
「久しぶり…」
慎一くんは可愛い笑顔を私に向ける。
「で。知沙さん…緊張してるんですか?」
「え、うん……だって、さ…」
私はそう言いながら自分の脚に目を向けた。
「今日…こんな短いすもんね?」
「っ…」
慎一くんは私の脚に手を置いてそう言う。
ままま、待って…っっ!!!
「あ…彼氏に怒られますよね?俺。」
「へ…?」
よく分からない慎一くんの言葉に私は彼を見上げた。
「だって…―」
慎一くんはそう言うと私の耳元に手を添えて…
『―…井上さんなんでしょ?』
小声でそう言ってのけた―。