恋物語。
「っっ…!!!」
バッチリ当てられた私は目が飛び出るくらい驚いた。
な…何で慎一くんが知ってるのー…っ!?
「そんなの分かりますよ。……めっちゃ睨まれるから。」
「ぇ…?」
慎一くんがそう言ったのを聞いて“彼”の姿を探す。
すると、ものの数秒で彼の姿を見つけ…確かに彼は“隣の彼”に威圧感を与えているのがよく分かった。
「…あ。また、もう撮ってたんすねー?徳井さん。」
慎一くんは話題を変えるようにカメラマンの彼にそう話しかけた。
「うん。だって今の、めっちゃよかったから。だから俺のことは気にせず自由にやって?」
「はーい。」
徳井さんの言うことに慎一くんは元気よく返事をする。
じ、自由にって…。まぁいつも自由にやってるけどさ…。
「で。今日は、どうしますか?知沙さん。」
「ど…どうって…?」
慎一くんはそう言うけれど…よく意味が分からない。
「だって今回のテーマ、知ってます?“彼をドキドキさせるルームウェア”つまり…俺がドキドキさせられるってことですよね?」
「え、あぁ…うん…」
確かに…そうなるよね…?
「じゃあ……ドキドキさせて下さいよ。」
「っ…」
彼はクールにそう言い、私に迫る。
ドキドキって…。どうやったら男の人をドキドキとかさせられるの…?
てか私…聡さんにドキドキさせられっぱなしで、そんなの分からないよ…っ
「……分かん…ないよ…」
何をしていいのか本当に分からない私は…慎一くんの腕を掴んで頭を彼の胸に預けた。
「知沙さん…いっつも、こうやって迫ってんすか?」
「へ…っ!?」
彼の発言に慌てて顔を上げる。
せ、迫る…!?って…っっ
「だったら…思いっきり嫉妬させてやろうっと。」
慎一くんはニヤリと口角を上げて笑った。
「っ…!」
ちょ、ちょっと待ってよ…っ!!前回でも、かなり嫉妬してたのに…。
それ以上だとしたら…あとが怖すぎるんですけど…っっ
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