恋物語。
「知沙“で”いいんじゃなくて…知沙“が”いいんだ…。俺は…知沙以外との未来なんて…全然考えられない。だから…知沙と一緒になりたい。」
「……」
聡さん…っ
「知沙…結婚しよう。」
「……はい…っ」
私はできる限りニコッと笑ってみせた。
「…ありがとう。」
聡さんもニコッと笑うと…私の左手を取る。
「あ…」
「え…?」
「ごめん。今、気づいた。ネイル…してたんだね?」
聡さんは、バツが悪そうな顔をしていた。
「あ、はい…」
「綺麗だよ…?でも……こうやった方が…もっと綺麗…」
「っっ…」
聡さんはそう言いながら薬指に指輪をはめた。
聡さんから贈られた“婚約指輪”は見とれてしまうほど本当にすっごく綺麗で…
真ん中にある紫水晶は私の誕生石“アメジスト”だということが、すぐに分かった。
すると―…、
「っ…!!」
聡さんは私の顎を捉えて…そのまま唇にキスを落とした――。
「……知沙を悲しませたりなんてしない。絶対に幸せにするから。」
「はい…」
そう…真剣で…強い瞳で言ってくれた聡さんの言葉を…私は信じていこうと思います。
聡さん…私は、あなたに出会って様々な感情を知りました。
遠く昔に置いてきてしまった“好き”の感情を思い出させてくれたのも聡さん。
嫉妬とか…心から信じ切れずに不安な気持ちを抱いてしまったのも…聡さん。
あなたは…後にも先にも私の“大切な人”です。
だから…私もあなたを幸せにします。あなたを…笑顔にします。
こんな私を選んでくれて…本当にありがとう…。
聡さん…大好きです―――…。
【END】