恋物語。
「っ…」
ほら…聞こえてたんじゃん…。
「聞こえてるじゃん…」
私はまた呟くように言い抱きつく力を強くした。
「そりゃ聞こえたよ。けど…そんな小声で言わなくてもよくない?」
「っ…」
だって…だってそんなの……未だに恥ずかしいんだもん…。
「まぁいっか。最近はだいぶ…敬語で話してくれなくなったし。」
「……。それって、いい意味…?」
私は聡さんの胸の中で上目遣い気味に彼を見上げた。
「…もちろん。てか知沙……何でそんなに可愛いの?」
「へ…?」
聡さんはそう言うけど…全然意味が分からない。
何が…?私、何もしてないんだけど…。
「はぁ…ほんとに罪だな、知沙は。その目が俺を誘ってる。」
「//…っ!!さっ…そってなんかないもん…っ!!普通です…っっ」
聡さんの言葉に体温を上げながら私は猛反論。
「ほら…すぐ真っ赤になる。ほんと可愛いなぁ…」
「っ…」
だけど聡さんには勝てなくって…彼は私のほっぺに手を添える。
「……キスしていい?」
「え…っ…!!」
そう聞いてきたって…彼は私の返事なんて聞かずに唇を塞いだ。
「……私…返事してないから…」
「じゃあ嫌だった…?」
「そう、じゃない…けど…」
「なら問題ないでしょ。」
彼は自信満々にそう言う。そしてまた…私を抱き締めた。
「好きだよ?知沙…。ずっと愛してる。」
「……私も…大好きだよ…?」
始まったばかりの私たちの“生活”
これから、いろんな困難はあるかもしれないけれど…
聡さんとなら…それも乗り越えていけるって信じています―。
【END】