恋物語。
―――――――…
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ガチャ…ッ
「ただいま…」
「知沙!連絡もなしに朝帰りなんてどういうこと!?」
家に帰った途端…お母さんに怒られた。
「ご…ごめんなさい…」
「昨日は誰と一緒だったの?」
「あ、っとー……」
もう、これしかない…っ!!!
「朱里、なんだけど……」
朱里、ごめん…嘘つきます…。
「何か酔い潰れちゃって……」
ほんとにごめん…。今度、謝りに行くから…っっ
「だから朱里を家まで送ってったんだけど……私も眠くなって寝ちゃって…そのままっていう…」
お願い…っ!!これ以上、聞かないで…っっ
「へぇ~あの朱里ちゃんがねぇー…それなら仕方ないわね。でも…連絡ないのは関心しないわね?」
「はい、ほんとにごめんなさい…以後、気をつけます…」
最後、キッと睨まれるように見られて恐縮しながら答えた。
ふぅ~…よかったー…。
だって…だって、だって…!!本当のことなんて言えるわけないよ…っっ
男の人と食事して…そのままホテルに行って…そのまま…朝まで…―。
「////…っ」
そのことを思い出しただけで顔に熱が集まる。
「知沙…?どうしたの?顔が赤いような気がするけど」
「え!あっ…そ、そんなことないよ!気のせいだってばっ!!じゃあ私、部屋行くね…?」
お母さんに悟られないよう必死に繕い自分の部屋に逃げるようにその場を去った。