恋物語。
―――――…
―――――――…
「!…っ」
「痛い…?でも我慢してよね。手当なんだから。」
聡さんの家に着き…私はリビングのソファに下ろされて足の血の滲む箇所に消毒液を塗られた。
「……はい、終わり。」
彼は仕上げに絆創膏を貼ってくれた。
「ありがとう…ございます…」
「どういたしまして。てかさ…捻ったりとかはしてない?」
聡さんはそう言って右足首を一周回す。
「っっ…」
その時、痛みを感じて顔が歪む。
「ごめん!大丈夫…!?」
「あ、はい…」
「ならよかった。けど捻挫もしてるっぽいなぁ…ちょっと待ってて。」
聡さんはそう言うと近くにある家具の引き出しを開け、湿布と包帯を取り出した。
「これしとけば…ちょっとはマシだと思うから。」
そう言いながら手際よく湿布を貼り包帯を巻いていく。
「聡さん…」
「ん?」
私より低い位置いる彼が私を見上げる。
「ありがとうございます…こんなことまでしてもらって…」
「そんなの全然構わないよ。知沙のためだったら…いくらでもするよ?」
「っ……ほんとに優しいですね、聡さんは…」
「そんなことないよ。知沙には“特別”だから。」
「//…」
ほら…惜しげもなく“愛情”を注いでくれるんだ…この人は。
「ねぇ、知沙…」
「はい…?」
聡さんは急に神妙な面持ちになった。
なん…だろう…?
「さっきの女の子のこと…知りたい…?知沙が知りたいって言うんなら…俺は包み隠さず全部話すけど…」
「っ…」
“さっきの女の子”
それは…聡さんにキスしようとした、あの女の人のことだろう…。
本当のことを知るのは…怖い気がする…。だけど…っ
「……教えて…下さい…っ」
“知りたい”って気持ちの方が…それより強く感じた―。