恋物語。
―P.M.11:00。
私は聡さんのお家で彼の帰りを待っていた。
ちなみに…聡さんのお家もオートロックだったりするので、それを一人で開けて中に入り、
自分で聡さんのお部屋の鍵を“合鍵”を使って開けるなんて体験は、もちろん人生初な訳で…。
ただそれだけなのにテンションが上がってしまう自分がいた。
だって“合鍵”なんて…本当に信頼している人にしか渡さないよね…?
だから聡さんは…私のことを本当に信頼してくれているんだ…っ
「//…」
…って。一人で想っては顔を赤くしている。
もー……待って…!?私、ほんとにおかしいから…っっ
こんなとこ聡さんに見られたら…絶対に遊ばれる…。
その時―。
ガチャ…ッ
玄関の開く音が聞こえた。
「あ…っ」
帰ってきた…っっ!!
「…お帰りなさい、さ…っっ…!?」
急いで玄関まで行くと“予想外”な人物に遭遇。それは―…、
「……じゅ…純也くん…!?」
と。彼の肩を借り、かなり酔っ払っている様子の…聡さん。
「え?知沙ちゃん…!?何で知沙ちゃんが井上さんの家に…?」
彼も私同様、かなり驚いているようだった。
「あ、えとっ…あの…っっ」
純也くんに私と聡さんとの関係を話そうとした時、
「あ。知沙~……ただいま~…」
顔をふにゃふにゃにさせた聡さんが私に抱きついてきた。
「わぁ…っ!」
ドン…ッ!!
私はその反動で床に尻餅をついてしまった。