恋物語。
「知沙ちゃん…!?大丈夫!?」
「あ、はい…。痛いけど…大丈夫です…」
心配してくれた純也くんに苦笑いを向ける。
一方の聡さんはと言うと…―、
「へへへへ~……知沙~…」
締まりのない顔で笑い私をギュッと抱き締めた。
「わー…もう、何ですか…!?聡さんって酔うと…こんな感じなの…?」
「いや…俺もこんな井上さんは初めて見たよ。」
「え…?純也くんも…初めて…?」
純也くんの言葉に驚き彼の方を見た。
「実は今日さ…まぁ聞いてるかもしれないけど…どうしても井上さんには飲み会に参加してもらいたかったんだ。
それは何でかっていうと…“最近の井上さんの様子が変わった原因を探ろう”っていう裏目的があったから。」
「え…?」
純也くんたちは…そんな計画を立てていたの…?
「だけど井上さん…なかなか話してくれなくてさ…。まぁ基本、積極的に自分のことを話したがる人ではないのは知っていたんだけどね。」
「……。」
何だか…悲しい気持ちになった。
私も自分のことを話すのは苦手だし…ましてや“彼氏”のことなんて以ての外…。だけど聡さんは…私とは違うと思っていたんだ―…。
「だから井上さんには内緒で、だいぶ強い酒を同僚のやつが何杯か飲ませたんだ。それで完全に酔っぱらっちゃったみたいで…そしたら“彼女”のこと、話してたよ?」
「え…!?」
純也くんの言葉に驚いた。