恋物語。




―寝室に辿り着き。




「…よいしょ……っ」


聡さんをベッドに寝かした、けど―…。



「っ…!うわ…っっ…!!」


バランスを崩してしまい、聡さんの上に覆いかぶさる形となってしまった。



「ふふふ……知沙ってば大胆…」


本当に酔っているのか分からないほど妖艶な笑みを聡さんは浮かべる。



「ち、違う…っっっ」


そう言って私は彼から離れた。




この人…本当にまだ酔ってるの…!?




「んん~……ねぇ…知沙~…」



「え…?ちょっと…っ!!」


なのに…聡さんに腕を引っ張られて再び彼に覆いかぶさってしまう。




だ、だから…っっ!!




「……ちゅうして…?」



「へ…っ!?」


彼の顔の横で両手をついた所での衝撃発言―。




ちゅ、ちゅう…!?え!今、この人…ちゅーって言ったの…っ!?




「なっ…なに言ってるんですか…っ!しませんっ!!」



「だって…この前してくれなかった…」



「え?この前って…?」



“この前”と言われて思いたるのは“あの時”だけ―。
私が初めて…聡さんのほっぺにキスをした、あの日…。




「だから今度は口だよ…?分かってる…?」


すっかり子供に戻ってしまった(らしい)聡さんは口調も子供っぽく、そう言う。



「っ…」




うぅ~…何これ…。私がキスしなきゃいけない流れになってる…??





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