恋物語。
純也のやつ…知沙に何を吹き込んだんだ…!?
「飲み会での聡さんの様子、と……“私を堕とすのは苦戦した”と。」
「…!!!」
目が飛び出るんじゃないかと思うぐらい驚いた。
確かにそうだけど…それを知沙に言うとか…!!
あいつ、反則だろ…!?言わなくていいっつの!
「あとは…酔っ払っている聡さんを介抱しました。…それだけです。」
「ほんとに…?ほんとにそれだけ…?」
「……はい。」
少し空いた間が気になるけど…それ以上は突っ込まなかった。
何か…自分のボロがもっと出そうで怖かったから。
「だから聡さん…今日は私の言うこと…聞いてもらえますか…?」
うるうるとさせた瞳で上目遣い。
「……」
どこでこんな技を覚えたんだか…。こんなことをされたら…
「……いいよ。」
もう…何でも言うことを聞いてしまうじゃないか――…。
「……じゃあ…今日は、ずっと……傍にいて…?」
言いながら彼女は俺の腕を掴み頭を俺の肩に預ける―。
「……」
ずるいなぁ…マジでずるい…。
「……知沙…今のは反則。」
「え…?」
何も分かっていない顔が俺を見つめる。
「……今すぐ抱きたくなる。」
「////…っ!!!
な…!そっそういう意味じゃないです…っっ!!
聡さんの、えっちっっ!!!!!/////」
彼女は茹でダコのように顔を赤くさせた。
そんな顔も…本当に可愛い。
「…可愛い。顔、赤すぎでしょ。」
「だって聡さんが…っっ!!」
とか言いつつ…本当は好きなくせに―。
~【another side】END~