恋物語。
―あれから数日。
朱里は、ますます元気がなくなっていって…
「朱里~…元気出しなってばー…。」
そんな親友を、どう励ましていいのか分からないでいた。
ちなみに今は…オープンテラスのカフェにいる所。
「うーん……でもさ…?最近ますます、怪しいんだよ…?これって、おかしくない…!?」
「だったらさ…?純也くんに直接聞くっていうのは…?」
「それ……知沙なら出来る…?」
「え…?」
真剣な眼差しの朱里に逆質問される。
「もし知沙が私と同じ立場で……井上さんに“それ”聞けるの…?」
「……」
私が…朱里と同じ立場…?
聡さんの行動が怪しくて…不安になって…
でも彼のことは大好きで、別れるなんて絶対に嫌で…。
「無理だよ……そんなの聞けない…」
想像しただけなのに泣きそうになった。
「でしょ…?私だって…知沙と同じだよ…。」
朱里は呟くようにそう言ってテーブルに伏せる。
「朱里…」
だよね…?辛いよね…?大好きな人を疑わなきゃいけないなんて…。
「え…!?」
その時、道路を挟んだ向こう側…“とある人物”を見つけた―。
「ん…?どうしたの?知沙」
「あれ……純也くん、だ…」
「え…!?」
私が指差す方向を朱里が見る。
そこには確かに朱里の彼・純也くんがいた。
でも、その隣に…
「誰…?あの人…」
朱里も知らない、女の人がいた――。