恋物語。
story.2
初めて
「はぁ…」
何か展開が早すぎて…頭がついていかないよ…。
週明けの月曜日、会社でデスクワークをしながらそんなことを思う。
ちなみに私の会社は…某・アパレルメーカー。その本社倉庫に配属されて…早3年。
ここは2階建てで、その9割が倉庫となっている。ここから全国の店舗へ商品が送られていく。
あとの1割は…オフィス部分。仕切りはなく、倉庫と一体型。
ふと、だだっ広いそこを見ると…数多くの段ボールが綺麗に積まれて置かれている光景が目に映る。
そんなオフィス部分で私は仕事をしている。
デスクワークをする社員は男性6人、女性(私を含め)2人。ちなみに…私が一番後輩。
そして出荷業務にあたっているのは…全てアルバイトの方や派遣社員の皆さん。
男性社員はいつも出荷を手伝っているけれど…私たち女性社員はほぼ手伝いに回らない。
なぜなら、その間の電話応対や各店に配る備品の手配など…やることが多いから。
そして今は…納品されてきた商品に入っていた納品書を見ながら、パソコンにその商品の数を打ち込むという作業をしている。
カタカタカタ…
数字を打ち込んでいくと、パソコンからは規則正しい音が響く。
「ねぇ!坂井さんっ」
「あ、はい!」
順調に数を打ち込んでいると升野(ますの)さんという男性社員に声をかけられる。
「それって今…マルエイ(メーカー名)の数、打ってる!?」
「あ、はい!ダメでしたか…?」
あぁどうしよ…変更だったのかな…?
「あ、いやっ…それで大丈夫!そのまま続けて?」
「あ、はいっ」
升野さんに返事を返し再びパソコンに向かう。
あぁーよかった…変更じゃなくって…。
そう安心したのも束の間。
ブーッ…ブーッ…
机の上に置いていた携帯のバイブが鳴る。
メールだ…誰だろう…?
そのバイブの短さからそう判断した私は、その画面を見る。