恋物語。


―――――…
―――――――…




「……大丈夫?」



「はい…」




―あのあと。


早川さんとは別れて…聡さんと一緒に駅まで歩いていた。




「でも…本当にごめん…。再会した、あの時…全てを打ち明けていたら…こんなことは起こらなかったかもしれないのに…」



「聡さん…」


悲しそうな表情で言う聡さんを見て…何とも言えない気持ちになった。



「聡さんのせいなんかじゃありません…。私だって…聡さんを信じ切れなかったから…」



「知沙…」




そうだよ…。私は…大好きな人のことを、ちゃんと信じれなかった…。
聡さんだけが悪いんじゃないよ…。私にだって…非はあるんだから…。




「っ…!」


その時、急に腕を引っ張られて…あっという間に聡さんの胸の中―。




「聡さん…?」



「会えなかったっていうか…連絡が取れなかった間……ずっと知沙のこと考えてた…。
“何してるんだろう?”とか…“俺のこと、どう思ってるんだろう?”とか…。


ごめん、こんなの女々しすぎるよね…?


でも本当にそれぐらい…知沙のことが好きだし…離したくはなかったんだ…。だから…―」



「っ…」


聡さんが抱き締める力を強くした。



「―…またこうやって、知沙を抱き締めることが出来たのが…本当に嬉しいし…幸せだよ…」



「……聡さん…」


私は名前を呼んで…彼を抱き締めた。



「私も…聡さんのこと、ずっと考えてました…。だから…私も嬉しいです…っ」




本当に嬉しい…。こんなに嬉しいことってあるの…?って思ってしまうぐらい…。




「……?」


すると彼は…私を離す。




ちゅ…っ




そして…駅前だというのに唇にキスを落とした――。




「……帰る?送るよ?」



「あ……あのっ…―」






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