記憶の欠片


何日か過ぎたけど、
あっちゃんはずっと元気がない

元気に振る舞ってるつもりだろうけど
俺にはわかる

だって目が笑えてないから。

「てかさぁ、もうすぐ10月なのに
暑くね?こんなあちーのに
よく体育館でバスケなんて
やらせるよな〜」

今日の体育はバスケ。

まぁ確かに体育館でバスケは暑い。

しかも女子も体育館で半面しか
使えないから密集して暑さが倍増する。

「ま、女子を観覧できるから
いいんだけど〜」

なんて鼻の下伸ばしながら
見てるから、

翔の頭を引っ叩く

「鼻の下伸ばしてんじゃねぇよ。
ほら、ゲーム始まんぞ!」

休憩だったゲームが先生の
掛け声で再開する

俺も翔もバスケ部所属。

だからそこそこ上手い

翔だって、
さっきまで鼻の下伸ばしてたけど
ゲームが始まると真剣モードが入る

俺もそれにつられて真剣になるけど
横の女子の叫び声聞いたら、
そっちに視界がいってしまった


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