記憶の欠片


みんなが倒れてるのに
びっくりしてる事を他所に、
翔が先生に言って
俺はあっちゃんを保健室に運ぶ。

保健室に運べば、
先生がすぐに対処してくれた

倒れた原因は、熱中症と栄養失調。

きっと振られたショックで
あまり食べれてなかったんだと思う

そのまま先生は
俺たちを置いたまま保健室を
出て行った

出ていく時に
少し見てて欲しいと言われたから
帰るまで待つしかない

黙って待ってると、
あっちゃんの目が少し開いた

「…あ、起き…」

起きた?そう聞こうとしたら
首にあっちゃんの腕が巻きつく

どうやら熱のあるボーッとした頭で
寝ぼけてるみたい

「あっちゃん、俺生徒会長じゃな…」

次に、生徒会長じゃない。

そう言おうとしたのに、
言えなかった

だって、あっちゃんの唇と俺の唇が
重なってるから

きっと彼氏と間違えてるんだ

そうに違いない。

だって、あっちゃんが俺に…

そんなはずはない。

大丈夫。

寝ぼけてるだけだから、
このまま腕を離そう

本当に寝ぼけてたのか
それとも故意でしたのか。

どっちかはわからない。

ただ確信を得ているのは、

あっちゃんとキスしてしまった事だけだ
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