記憶の欠片
放課後、
俺はあっちゃんに言われたとおり
教室で机に腰掛けながら1人待つ
なんの話だろ。
…もしかして、
保健室であった事かな?
ガラガラ
あ、あっちゃん。
「あっちゃん。体調、大丈夫?」
とにかく平然を装って
普通に接しよう
「…もう大丈夫。心配かけてごめん」
「ううん。それより話ってなに?」
「…あのね……」
あっちゃんが俺のほうにきた瞬間、
あっちゃんはまた貧血を
起こしたのか倒れかけた
ガタッ
倒れかけたのを支えたけど、
あっちゃんが俺に抱きつく形になった
「…あっ、ごめん!」
そう言い離そうとしたものの、
逆に何故かギュっと抱きつかれる
「…あっちゃん?」
顔を除きこむも、
あっちゃんはなにも言わない
ようやく口を開いたのは、
五分ぐらい後だった
「…私ね…」
「ん?」
「….私、ともちんが好き。
別れた後だから信じれない
かも知れないけど、
私の彼氏になってくれない?」
は?
いきなり過ぎて耳を疑う。
あっちゃんが俺を好き?
俺はどうなんだ。
この胸のドキドキが答えなのか、
それともそうじゃないのか。
よし。
あの事を話そう。
「…俺さ、忘れられない人がいるんだ。
でも一生会えない事はもうわかってる。…だからこの痛み、消してくれないかな?俺にあっちゃんの好きを分けて?」
あっちゃんは涙を流しながら
大きく頷いた。
きっと予想してなかったんだろう。
俺だって、こんなこと
言うつもりなかったし。
あっちゃんは本気だと思う。
だって嘘だったらこんなに
泣けないでしょ?
人前で泣くって、凄い事だと思う。
俺最近、いつ人前で泣いたっけ?