記憶の欠片
あっちゃんと付き合って早数日。
俺たちは順調に進んでる。
いつの間にか学校にあっちゃんが別れ、
俺たちが付き合い始めた事は広まってる
「友也はいいよな〜、モテるから」
「は?なにが?」
「いやだって学校の場所わかんなくても女子が教えてくれんじゃん?」
まぁ確かに、学校で教室を
迷ってたら女子たちが教えてくれるから
楽っちゃらくだな。
でもそれのどこか がいいのか、
さっぱりわからない。
「今日も放課後あれだよな?」
「あ?あぁ」
あれっていうのは、
放課後の事。
あっちゃんと付き合ってから、
『たまには放課後は2人で帰りたい』
そう言ったから
いつもあっちゃんと帰ってた日向を
翔に任せることにした
「お願いな?」
「うん。コンビニまでだからな?」
「わかってるよ」
日向が、あまり住所を
知られたくないらしい
「てか俺さぁ、蘭と別れたから」
「はっ⁉︎」
びっくりして、目を見開く
だって花火大会の日だって、
あんなに仲良かったのに。
あの2人なら別れるはずはないって、
誰もが思ってたはず。
なのにどうして…。
「…なんで?」
「俺が好きなやつ出来たから」
「は?」
「……日向が…好きなんだ」
わけがわからなかった
今まで翔と日向については
一緒に帰ってもらう事は少し
悪い気はしてたぐらいで、
翔が日向を好きだなんて感じ
しなかったのに。
どこを、好きになったんだろう?
「…なぁかけ……」
問い詰めようと翔の名前を
呼ぶ途中で、
担任に遮られた
「みんな席についてー。
明日からの合宿の説明するからー」
「「はーい」」
みんなが席に座り始めたから、
聞くことは出来なかった