記憶の欠片
その後すぐに先生を乗せた船が来て、
俺たちを乗せてみんなのいる
宿泊施設に帰る
ラウンジまで行ったら、
翔とあっちゃんがいた。
「…智!」
駆け寄るあっちゃんに
日向は安心したのか倒れ込む。
「…あっちゃん、日向怪我してるから手当てしてあげて?」
そう言い、俺の着ていた上着をそっと
日向にかけてやった。
「うん。智、歩ける?肩貸そっか?」
「うん、ありがとう」
そのまま日向はあっちゃんの肩に
もたれかかりながら、
各自の部屋へと帰って行った。
「….友也、後で話がある。
でも先に着替えて来い」
翔は俺の顔も見ずに俯いたまま
タオルを渡してくる。
翔は、何か怒ってるのか?
日向の事で怒ってるのか、
それとも何か他の事で怒ってるのか。
俺にはよきなわからなかったけど、
翔のあの様子からして
日向の事だと思うんだ。