記憶の欠片
それから翔は一週間程学校に
来なくなった。
毎日あっちゃんと
今日も来ない、今日も来ないと
言ったりしていたけど
よくよく考えてみたら
来ないのも当たり前なのかも
しれない。
大好きな人にそんな過去が
あったなんて知ったら
普通はどうしたらいいのか
わからなくなる。
『ガラガラ』
奈々ちゃんが来たのかと
思ったら翔だった。
「…翔」
話しかけようにも
奈々ちゃんがタイミング悪く
入ってきて喋れなかった。
朝のSHRも終わり、
1時間目の始まる前に
みんなが翔に喋りかける。
「翔久しぶりだな!
なにしてたんだよ?」
「…ちょっと旅行行ってたんだ!」
なんて言う翔だけど、
細くなってげっそりしてるし
少し元気もない。
「…翔、久しぶりだな」
「…あぁ」
「…元気にしてたか?」
「…あぁ。
…日向…いるか?」
敦「…今保健室だよ。
どうかした?」
「…あのさ、放課後3人共
時間ある?」
敦「…うん」
「なら、放課後屋上にきて
くれないか?話があるんだ」
「…わかった」
「…ありがとう。
あと、できれば日向には
先に2人だけで話したい事
あるかけど、いいかな?」
「…うん。言っておくね」
「…ありがとう」