記憶の欠片
まだ俺が幼い頃、俺の隣の家に親から虐待を受けていた女の子がいたんだ。
毎晩毎晩ガラスが割れる音や女の子の泣き叫ぶ声が聞こえてきて
その悲惨な様子は想像できた。
その子はよく身体に痣があることで周りの子からからかわれたりしていたんだ。
だから俺はみんなに
「さっき先生がお菓子持ってたよ!」
って言ったら、みんなは目を光らせて走り去る
「….ありがとう」
そう言って涙を流しながら笑うその子の顔は一生忘れないと思うんだ
その後ずっとその子と遊んでいたけど、何故かその子は引っ越すことになった。
「今日で遊べなくなっちゃうね」
「うん…ねえ、これあげる!」
手渡したのは、小さなネックレス。
「これ、おばぁちゃんくれたの。
半分は大切な人に渡しなさいって。
だからコレで僕たちは
ずっと一緒だよ?」
「…ほんとに?」
「うん!絶対に君を忘れないから。
僕がずっと守ってあげる。約束だよ?」
「…ありがとう」
っていつも一緒に遊んでた海で
指切りして初めてキスしたんだ。