泡沫幻夢-ウタカタ-


 狐面は直後、爆弾発言を投下。


 俺はたっぷり思考をフリーズさせて、




 「嫌だ」




 と断った。


 何故じゃ! と騒ぎたてる狐を押さえつけて言い放つ。




 「俺はお前の親でも飼い主でもない。


 名前を付けたらしつこく付きまとわれそうだから、嫌だ」





 狐を見ながら言うのはなんとなく嫌だったので、遠い所を眺めながら。


 人は、やはりどこにも居ない。


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