果たし状
「…ん?ああ、君は真希の…「気安く真希の名前を呼ばないで下さい。」
突然教室に入ってきた一年に少し驚くようなしぐさをしたけど、彼はニヤリと笑った。
「それが、本性ってことですね?」
「悪いか?
ただちょっと可愛いから付き合ってあげた。
だけど俺はもう飽きた。それだけ。」
…生まれて初めて、人を殴り倒したいと思った瞬間だった。
「ふざけんなよ…真希がどんなに一途にあんたを想ってたか…」
爽やか王子だとか言われてたこいつの正体は、それを利用したただの女たらしだったんだ─。
こんな残酷なこと、真希に味わせるなんて…
「あれ、先輩への敬語忘れちゃってるけどいいの?」
「あんたに払う敬意なんてあるか!」
「ふーん。
君は馬鹿なの?」
「は?……っ!」