隣の彼
「高校生でお化粧は早いからだめ。」
けいちゃんはお父さんと同じような事を言うと腕をクロスしてばってんを作った。
くう、女の子より可愛いなんてコイツは犯罪だな。
「私だって…あっ!紙あった!むー見えない。」
反論しようとしたけれどクラス表が目に入ったから私の意識はそっちにいった。
がんばってジャンプしてみても人が多くて全然見えない。
そんな私をぷくく…と笑うけいちゃん。
「うわ…俺たちクラス別々…。」
えっ?別々なのっ!?
今まで1回もクラス違ったことないから寂しい。
「俺3組、椎名は2組だ…。」
しゅん、とした子犬のように頭をさげるけいちゃん。
「で、でも隣同士だし!ほら、かえって貴重な体験だよ!」
頭をぐしゃぐしゃっとして笑いかける。
「ん。椎名変な顔しちゃだめだかんね。」
「わかってるよ!じゃあいくねっ!」