【更新中】キミの声、聞かせて
《あたし、母親に良い思い出がなくて…》


幼い頃の出来事が未だに夢に出てくるんだ


「そんなに悲しい顔、しなくても大丈夫。あたしは怒らないからね?」


七絵さんはあたしを抱き締めてくれた


「樹里ちゃんが甘えたい時に甘えて良いの。あたしで良ければ母親代わりになるから」


七絵さんの言葉が嬉しくて抱きついて大泣きした


声にならないけど、涙は枯れない


母親の温もりが恋しかった


七絵さんは文句一つ言わすあたしが落ち着くまで抱き締めてくれていた


「落ち着いた?」


《ごめんなさい、ありがとうございます》


「声が出ないからキツいわよね。だけど、無理はしないこと。あたし達もサポートするわよ」


七絵さんと話した後、顔を洗って大翔のとこに戻った
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